贈与か相続か

相続や遺言の相談を受けていると、不動産に絡む内容になることが多々あります。

 

例えば何らかの理由により、親の不動産を特定の子に与えたい場合、生前贈与するほうがよいのか、それとも親が亡くなった後に相続させるほうがよいのか。ちょっと考えてみます。

 

◎生前贈与の場合

<必要書類>

・贈与契約書

・親の印鑑証明書

・不動産の贈与を受ける子の住民票

・固定資産税評価証明書

<費用>

・登録免許税(不動産の評価額の20%)

・贈与税(相続時精算課税制度を利用できるケースもあり。贈与税の税率は、国税庁のHPで確認できます。)

・不動産取得税(不動産の評価額の3%)

 

◎公正証書遺言を遺した場合の相続登記

<必要書類>

・公正証書遺言

・親の出生から死亡までの戸籍

・親の住民票の除票

・相続人の戸籍謄本

・固定資産税評価証明書

<費用>

・登録免許税(不動産の評価額の4%)

・公正証書遺言の作成費用(公証人の手数料。日本公証人連合会のHPでご確認ください)

 

特定の子に確実に贈与したい(相続させたい)場合は、生前贈与か公正証書遺言による相続が最適であると思います。死因贈与契約という方法もありますが、この場合は公正証書遺言を遺した方が税金面で有利だと思います。死因贈与契約だと、子は不動産取得税を払わなければいけないからです。

 

生前贈与のほうが、費用的には高くなるような気がしますが、親が自分の目が黒いうちに確実に特定の子へ不動産を与えたいと考える場合は、生前贈与でも構わないと思います。

 

公正証書遺言でも、確実に特定の子への相続登記は可能となりますが。その場合は、そのほかの子が持つ遺留分への配慮も必要でしょう。

 

まぁ、生前贈与をした場合でもその他の子への配慮は必要ですけどね。

 

個人的には公正証書遺言のほうがいいと思います。