会社設立Q&A(よくある質問)

会社設立について、クライアントからよくある質問をまとめています。

会社設立の依頼に当たっての準備

Q 会社設立業務をお願いしたいのですが、何をお渡ししたらいいですか?

A ご準備いただきたいものは、次の通りです。

・発起人の実印と印鑑証明書

・役員になる人の実印と印鑑証明書

・法務局に登録する会社実印

発起人の実印は、公証役場で定款の認証を受ける際、行政書士への委任状に押印します。また定款認証後、発起人決定書(発起人会議事録)にも押印します。役員になる人の実印は、登記の添付書類である役員の「就任承諾書」に押印します。会社実印は、払い込みを証する書面、司法書士への委任状、印鑑届書、印鑑カード交付申請書に押印します。

ちなみに当事務所では、印鑑の製作も請け負っています。実印・銀行印・角印の3点セットでだいたい1万円程度です。

資本金について

Q 資本金はいくらにしたらいいでしょうか?

A これは正直答えはありません。

現在、株式会社は資本金1円からでも設立することができます。しかし会社設立後、取得しなければならない許認可によっては、ある程度の資本金の額が求められる場合もあります。また、資本金が少なければ取引先の信用を得られない可能性もあります。

例えば、設立後すぐに建設業許可の取得を見据えているのであれば、資本金は500万円以上にしておくべきです。1回目の決算期を迎えていなければ、許可申請時に銀行の残高証明書を提出する手間が省けます。

資本金が1,000万円未満であれば、消費税は2年間免税されます(※後記「決算期」も参照)。

Q 資本金はいつ、どこに払い込めばいいですか?

A 一般的に資本金を払い込むタイミングは、公証人が定款を認証した後です。

当法人でも定款が認証した後をお勧めしています。しかし何らかの事情で早く払い込まなければならない場合は、認証前であっても定款作成日より後であれば、問題はありません。払い込む口座は発起人の口座です。発起人とは、会社を作ろうとする人です。発起人が数人いる場合は、代表取締役となる人の口座がよいでしょう。もし発起人以外の人の口座に振り込む場合は、振込先の口座の名義人への委任状が必要です。

会社の機関設計について

Q 取締役会は必要ですか?

A 必ずしも必要ではありません。旧商法では取締役会は必須の機関でした。しかし、平成28年5月に施行された会社法においては、必須の機関とはされていません。従って、取締役は1人でも問題ありません。逆に言えば、取締役会が設置されている会社では、取締役が3人以上必要ということになります。

取締役会設置会社が取締役を2人以下に減らしたいと考えた場合、取締役会を廃止する必要があります。そうすると、登録免許税が3万円必要になります。取締役会があるほうが、会社機関としての「見栄え」はあると考えられますが、従業員があまり多くないような会社では、取締役会がなくてもまったく問題ないと考えます。

決算期

Q 決算期はいつにしたらいいですか?

 個人事業であれば事業年度は1月~12月と決まっています。しかし会社は自由に決算期を設定することができます。業種によっては繁忙期がありますので、繁忙期を避けて決算期を設定するのもひとつの手です。また法人にした場合、税務申告を税理士に依頼することが多いと思います。3月~4月は税理士も繁忙期になりますので、じっくり話し合って税務申告をしたい場合は、あえて3月~4月を外すという考えもあります。

 

Q 売上が多いと、2期目が免税されないと聞きました。

A そのとおりです。設立後6カ月の売り上げが1,000万円を超え、かつ従業員へ支払う給料の額が1,000万円を超えた場合、資本金が1,000万円未満であっても2期目は課税事業者となります。このようなことが想定される場合、決算期を調整することによって、最大1年7カ月、消費税の免税事業者となることができます。従って決算期の決定については、税理士と話し合って決めるのがよいでしょう。

法人成りのタイミング

Q 個人事業から法人成りするタイミングはありますか?

A 特にタイミングがあるというわけではありませんが、、、事業を大きくするのであれば、やはり法人化しておくほうがよいと思います。また一般的には個人事業の所得が500万円を超えると、法人化したほうが節税することができるとは言われているようです。

法人設立後

Q 法人設立後に必要な手続きはどのようなものがありますか?

A まず、税務署、都道府県税事務所、市町村への法人設立届が必要です。また法人になると、厚生年金保険と健康保険は強制加入ですので、年金事務所への届け出も必要となります。従業員を雇用している場合は、労働基準監督署や公共職業安定所への届出も必要です。

Q 個人名義で借りていた事業資金を、会社名義に替えたいのですが。

A 取締役が個人名義で借りていた債務を会社名義にする場合、利益相反取引となります。会社法では、取締役は会社の不利益となるような行為をしてはならず、規制の対象となっています。従って、取締役会または株主総会の承認を得ていることが必要です。「債権債務取引議事録」を作成しておいたほうがよいでしょう。当法人は、こういった議事録作成業務にも対応いたします。

Q 子会社を設立したいのですが、気をつけることはありますか?

A 定款に記載する事業目的についてお気を付け下さい。親会社の出資を受けて子会社を設立するのであれば、子会社の事業目的を親会社の事業目的と合わせる必要があります。会社法人は、目的の範囲内で権利能力を持っています。従って子会社の目的が親会社と全く異なると、親会社の目的範囲外の事業と判定されることもあり得るからです。

ただし事実上、定款の認証時にチェックされていないことも多いようです。