入札参加資格審査申請における差別化

私は行政書士なので、建設業許可を中心とた許認可業務に注力しています。許認可に絡み、色んな申請も請け負うことがあるのですが、その中の一つに入札参加資格審査申請があります。

 

まさに今の時期から来年の2月にかけて忙しくなる業務です。すでに兵庫県の川西市や、大阪府の門真市では申請の受け付けが始まりました。

 

またことしは国関連の発注機関がインターネットによる一元受付を行う年です。効率的に申請を行うためにも、ヘマを打つことは許されません。

 

この入札参加資格審査申請という業務。正直、それほど難易度の高い業務ではないのですが、非常に神経を使う仕事になります。というのも、発注機関によって申請書の書き方や提出書類が微妙に異なるからです。また受付時の審査の厳しさも発注機関によって特徴があります。

 

技術職員の数の算定方法や、証明書類は原本を出すのかどうか。記載する売上高は、現況報告書と合っているかどうか。

 

もし、この申請でヘマをすれば、クライアント企業が受注する機会を失ってしまうことにもつながりかねません。

 

定型的な仕事でありながら、神経をすり減らす作業になります。ちなみに、作業量もわりとあります。

私の場合一定の顧客の依頼を受け、色んな発注機関に向けて大量に申請代理するため、なかなかしんどいわけです。

 

そんな中、嬉しいお言葉ももらいました。

 

発注機関によって、受注したい工事(業務)の種類に順位をつけないといけないのですが、私がいろいろと提案していたわけです。

 

その会社の主力業務では、市外業者が指名される可能性は極めて低いため、むしろ今後需要が見込め、かつ特殊な工法(技術)を持っていなければできない工事(業務)の受任を目指すべきだと考えて提案しました。

 

ありがたいことに、その会社は、特殊な工法(技術)を持っていたのです。

 

その結果、本年度はこれまで取引のなかった複数の官公庁から特命で指名がきたとのことでした。また受注はできなかったものの、市外、しかも県外の自治体から複数回指名がきたとのことでした。

 

確かに工事(業務)の規模は、大した額ではありませんでした。しかしこの時代にですよ。市外業者にいきなり指名がくるなんてことは、非常に珍しいケースであると思います。今や一般競争入札が当たり前で、しかも入札参加者は全社が最低制限価格で入札し、くじ引きで落札者を決めるのが当たり前の時代じゃないですか。

 

「入札参加資格審査申請は、社内の人間だったら流れ作業で適当にやってしまうけど、行政書士の中廣さんが提案してくれたから」

 

と営業担当の方に言われたときには、正直うれしかったです。そう言ってもらえると、働いた甲斐もあったし、お金を出してまで外部委託してもらった価値があったというものです。

 

入札参加資格審査申請という差別化しにくい業務について、思わぬところで、他の行政書士と差別化できる点を発見しました。

 

その会社の業務、技術、申請先の自治体によって、希望順位を変えるだけで喜んでもらえたことに、少しのやりがいを見出しました。

 

ちなみに発注機関の職員も、よく発注先のホームページを見た上で指名してくるそうです。そういう意味では、自社のホームページもできるだけ見栄えがよく、しかも分かりやすく作成していたほうが、受注につながりやすいということです。

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