産業廃棄物収集運搬業許可

産業廃棄物収集運搬業とは、その名の通り産業廃棄物を収集し、処理施設まで運搬する事業のことです。

この事業を行うには、都道府県知事または政令市長の許可が必要となります。

産業廃棄物とは

産業廃棄物とは、事業活動に伴って排出された廃棄物のことです。

その種類は廃棄物処理法によって定められおり、「燃え殻」「廃油」「紙くず」「鉄くず」など、全部で20種類に分類されています。

 

事業活動に伴って排出されるという部分がポイントになっており、例えば「燃え殻」や「廃油」、「廃プラスチック類」「汚泥」など12種類は、どのような事業活動であったとしても、排出された時点で産業廃棄物として扱われます。

 

 

一方、「紙くず」や「木くず」、「動物のふん尿」などの7種は、建設業に係る事業活動で排出されたり畜産農業から排出されたりするもののみが産業廃棄物として扱われ、指定された事業以外から排出されたものに関しては一般廃棄物として扱われます。

 

 

また産業廃棄物の中でも特に、毒性があったり感染性があったり、人体や環境に悪影響を及ぼす可能性があるものは特別管理産業廃棄物と呼ばれ、その扱いがより厳しくなります。

 

産業廃棄物収集運搬業許可だけでは特別管理産業廃棄物の収集運搬を行うことはできないため、別途、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要となりますので注意が必要です。

産業廃棄物収集運搬業許可の要件

  • 経理的基礎を有していること
  • 講習会を受講し、修了していること
  • 適正な運搬ができる運搬車又は運搬船、運搬容器等を有していること(土砂等積載禁止車両で運搬することはできない廃棄物がある)
  • 申請者や役員、株主等が廃棄物処理法に定める「欠格事項」(法第 14 条第5項第2号)に該当していないこと

▽欠格事項の具体例▽

①精神の機能障害により、廃棄物の処理の業務を適切に行うに当たって必要な認知、判断

及び意思疎通を適切に行うことができない者

②破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

③禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日か

ら5年を経過しない者

④暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(暴力団員等)

などなど…

講習会とは

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するためには、「産業廃棄物の適正な処理を行うために必要な専門的知識と技能を有していること」が求められます。

 

それを習得するものが講習会の受講であり、証明するものが講習会の修了証になります。

 

許可申請の際には講習会修了証の写しを添付する必要があります。

 

【受講対象者】

個人申請の場合は事業主本人又は政令使用人

法人申請の場合は法人代表者、役員(監査役を除く)、政令使用人

※最低1名が有効期限内の講習会修了証を有している必要があります。

 

講習会は、公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施しており、許可の種類に応じて課程が区分されています。

 

新規許可申請の場合↓

産業廃棄物収集運搬業…産業廃棄物の収集・運搬課程

特別管理産業廃棄物収集運搬業…特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程

上記を受講し、修了試験に合格して修了証を得ることが必要です。

【講習会受講料】 引用先:公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター

▽産業廃棄物収集運搬の場合▽

・オンライン形式12時間(試験は会場のみ)

・対面形式2日間              となっています。

 

許可申請書に添付する場合、講習会修了証には有効期限が設けられています。

多くの自治体では講習会修了の日から起算して新規講習会修了証は5年間とされており、更新の講習会修了証が2年間となります。

なお、都道府県・政令市によっては、その取扱いが異なる場合がありますのであらかじめ注意が必要です。

登録スケジュール

許可取得までの期間(標準処理期間ともいいます)は、一般的には申請から許可が下りるまでに約60日程度といわれています。

※この期間には、提出後の審査、許可発行手続きが含まれますが、申請者の書類準備期間や補正対応にかかった日数は含まれていません。また、自治体によって多少異なります。

 

例えば、兵庫県では申請から許可まで平均して約2ヶ月かかるとされています。 

 

申請前に講習会を受講しなければならず、予約もすぐに埋まってしまうため、許可が必要な場合は、真っ先に予約をとることをオススメしています!

また、

・許可証が窓口受け取りなのか

・郵送受け取りなのか

・郵送費用を申請者が負担するのか

 

などは各窓口で確認することが必須となってきます。

許可にかかる費用

  • 産業廃棄物収集運搬業許可申請:81,000円
  • 産業廃棄物収集運搬業許可更新申請:73,000円
  • 産業廃棄物収集運搬業変更許可申請:71,000円

チャレンジ行政書士法人の報酬

上記の金額は過去の実績に基づくものです。

 

ご依頼内容により費用は異なりますのでご了承願います。

また、印紙代や申請手数料などの実費は別途ご請求させて頂いておりますのでご注意ください。

登録した後について

(1)登録の有効期間と更新申請

有効期間は5年間です。

 

有効期間満了後も引き続き許可を受けようとするときは、期間満了前までに更新申請を行う必要があります。

有効期間満了の日の3ヶ月前から更新申請が可能です。

更新許可申請の際は、新規申請同様に申請日において有効期限内の講習会修了証が必要となります。

有効期限前になって焦らないよう、余裕を持って更新講習会を受講し、修了証の交付を受けておくことが大切です。

 

有効期間を1日でも過ぎると受け付けてもらえませんので注意が必要です!

(2)登録後の書類提出義務

1)変更許可申請

 

「事業の範囲を変更」するときは許可を受けなければならず、そのためには手続きが必要となります。

  • 積替え保管をしていなかった業者が積替え保管を新たに行う場合
  • 現在の許可で取り扱っていない種類の産業廃棄物を新たに取り扱う場合

→例えば、現在の許可で「鉄くず」の許可を受けてないが、新たに「鉄くず」の許可を受けようとする場合など

 

上記の場合は変更許可を受けた後でなければ行うことができません。

変更許可前に行った場合(無許可変更)は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこの併科に処せられます。

この場合、欠格要件に該当することになり許可取消となりますので、ご注意ください。

2)変更届

 

許可後に一定の事項について変更があった場合、事業の全部又は一部を廃止した場合は変更又は廃止から10日以内(※)に「産業廃棄物収集運搬業(廃止・変更)届出書」を提出しなければなりません。

(※)法人の役員変更など、登記事項証明書を添付する必要がある変更は30日以内

 

 

変更したにもかかわらず変更届を提出しなかった場合は、30万円以下の罰金に処せられます。

この場合、欠格要件に該当することになり許可取消となります。

 

このような事態にならないよう、その都度提出することが大切です。

チャレンジ行政書士法人ができること

当法人では、これまでに兵庫県および大阪府において、産業廃棄物収集運搬業許可申請の代行業務を行ってまいりました。

現在のところ、他の都道府県での申請実績はございませんが、ご依頼いただければ、地域を問わず柔軟に対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。

面倒な書類作成や関係各所とのやり取り、申請書類提出の代行まで、しっかりとフルサポートいたします。

また、完了後のコンサルタントまで一貫してお引き受けいたします。

ぜひご相談くださいませ。