ものづくり補助金に関する一考察

先週、平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金の採択結果が発表されました。残念ながら、当事務所が書類作成を支援した企業は採択から漏れてしまいました。

 

正直ストーリー展開に無理があるとは思っていましたが、やはり残念でした。現在の問題点を浮き彫りにし、課題を設定し、その課題を達成するために新しい機械を導入するというストーリーでしたが、やはり審査員に対する訴求力が足りなかったと思います。

 

また、以前私が支援した企業の申請書と見比べて決定的に異なるのは、取り組もうとする事業の「新規性」と「革新性」、そして「実現可能性」でした。

 

ここの部分は私の作文力だけではどうしようもなく、クライアントが本当にやりたいと思っていることを肉付けして書面化する必要があります。さすがにネタがなければ、私にも書けなかった、、、というのもあります。

 

今回の採択率は約3割でした。非常に厳しい審査だったと思います。懇意にしている中小企業診断士の先生も、「新規性や革新性が実際にある事業でなければ採択は難しい。作文力だけではもう通らないだろう」とおっしゃっていました。

 

そのような中、採択された企業の声をちらほら聞きました。当事務所のクライアントやクライアントとお付き合いのある企業の声です。

 

一つは建設サービスの会社ですが、そこは自社で書類を作成し、ほぼ毎年採択されています。私が「すごいですね」というと、ひとつポイントがあると言っていました。

それは毎年、数千万円単位で法人税を納めていることです。

その企業の方によると、事務局関係者が、「補助金とはいうが、実際には還付金という性格もある。法人税を納めていないのに、補助金が通るなどという虫のいい話はない」と言っていたとのことです。

申請に当たっては、財務諸表を2期分提出する必要がありますので、審査の過程でそこが加点ポイントになっていた可能性はあります。数万円~数十万円の法人税しか納めていなければ、そこではねられてしまうこともあるかもしれません。

 

もちろん、それは絶対ではありません。私のクライアントが申請書の作成を支援した企業は、今回見事に採択されていました。その企業が納めている法人税は数十万円程度です。純粋に「新規性」「革新性」「実現可能性」が認められたものだと思います。

 

もう1社、食品系の会社で採択された企業の裏事情を聞きました。そこは「議員に口利きをしてもらった」と言っていたそうです。もしそれが本当で、そんなことで採択されたのだとしたら許せませんが、そういうことを言っている人もいるそうです。真偽はわかりません。

 

 

当事務所としては、あくまでもクライアントの経営的・技術的問題点を浮き彫りにし、それを解決するための課題を設定し、それを解決するために新規設備の導入が必要であるというストーリー展開にこだわります。さらに今回足りなかったと思われる「新規性」「革新性」「実現可能性」をアピールする申請書類を作成することで勝負します。

 

ことしの2次公募はおそらくないと思いますが、来年度も同様の補助金制度があると思います。必ずクライアントの期待に応えられるように取り組みます。

 

今回採択されず、私自身の成功報酬も頂くことができませんでしたが、何よりもクライアントの期待に応えられなかったことが本当に残念でした。

 

何度でも足を運んでクライアントと一体になって取り組まなければ、この補助金、採択は難しいということを痛感しました。

 

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