行政書士法人の設立に当たり、たいていの人は日行連のサイトから「行政書士法人設立の手引」という冊子をダウンロードして、参考にすると思います。私もそうしました。
手引には、行政書士法人の設立手順、関係法令、定款の参考例等が記載されています。
定款作成前に、複数の行政書士法人の登記情報を確認してみましたが、第2条の目的はだいたい日行連の参考例に沿って作成しているようでした。法人によって、やることはないであろう業務を省いたり、そっくりそのまま使っているようです。
例えばモデル定款の第2条第6号及び第7号。
昭和55年9月1日時点で行政書士会に入会していた行政書士は、上記の業務を行うことができるため、行政書士法人の目的として記載することができます。しかし、私が代表を務める法人である以上、昭和55年時点で行政書士登録していた人を社員として加える可能性は、ほぼゼロだと思うので、私は省きました。
私自身、社労士登録もしておりますので、むしろ社労士有資格者の社員行政書士がいれば、行政書士法人でも上記業務を行うことができればいいのにな、と思ったのですが、どう読んでもそのような解釈にはならないと判断しました。
次に第8号です。
ここに書いてあるということは、おそらく行政書士ができる業務、ということだと思うのですが、開業して8年たって、上記のような業務にかすりもしませんでした。この先もおそらくやることはないだろう、と考え、省きました。
次に第9号です。
在留許可の業務に関する規定なんですが、もはや、何を書いているのか一読しただけではさっぱり分かりませんでした。業務の種類を条文・条項を用いて列挙しているんですよね。
私は、何事も分かりやすく書きたい性分なので、これは一つ一つ中に書かれている条項を確認して、下記のように手続名を列挙しました。
このほうが読みやすいと思うんですよね。
まぁ正直、私はこの手の業務をやってないわけですが(^_^;)
もし経験のある人が社員行政書士、あるいは使用人行政書士になってくれたら、将来的にできるかな、と思いまして。
最後にモデル定款の第2条第10号です。
行政書士法人は、労働者派遣事業の許可を受けることにより、他の行政書士事務所または行政書士法人に対して、使用人行政書士を派遣する事業を行うことができる、というものです。
ここで、黄色の部分に注目です。実は労働者派遣法は平成24年10月1日の改正により、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改正されています。10年近く前の法律名が、最新の手引きに記載されているという落とし穴が。
また労働者派遣事業は、平成30年9月30日以降、「許可制」に一本化されており、従来届出で対応していた「特定労働者派遣事業」は現在、廃止されています。
これは日行連も至急、修正をお願いしたいですね。
まぁそもそも、労働者派遣事業の許可をとるためには、法人の基準資産額が2,000万円以上必要なので、当法人が行うことも多分ないと思うのですがね。
他の大規模行政書士法人に対して、当法人で鍛えた選りすぐりの使用人行政書士を派遣する、、、なんてこともあるかも。ないか。